時間軸上の土木

道などの社会資本設備は供用が始められるや、それ以前の状況は忘れ去られる。 また、河川などの防災施設は所期の機能を果たしている限り注目されず、破綻しかける時のみ注目される。 時間軸を意識するときそれらの真価がより鮮明に現れる。

1  ダムは如何に造られしか 〜 札幌市と豊平峡ダム
 札幌は豊平川扇状地の上に発達した二百万都市。都市がその領域を拡大し、衛生的かつ安全な活動の場に整備する程は川との陣取りゲームでもあった。

2  いつ起こるとも知れぬ自然災害への備え 〜 美瑛の丘と十勝岳
 北海道における代表的自然景観に数えられる美瑛付近に拡がる白樺林。その牧歌的風景こそが幾多の開拓民の生命と労苦を一瞬のうちに飲み込んだ泥流の爪痕である。

3  ニシン漁を支えた土木技術 〜 積丹半島とニシン文化
 ニシンが積丹半島付近に群来たのは北西の風が残る早春。海が荒れても安全に獲物を確保するためにが築いた袋澗が80年近くの時を経てその姿を波間に消そうとしている。

4  時代と共に道があった 〜 積丹半島を結んだ径、路、道
 積丹半島に栄えた漁村を結んだみちは時代とともにその経路をかえてきた;海のみち、踏み分け径、やまの路、海岸の道へと時代の要請に従って変わる道の姿がある。

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